2020年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
無料ブログはココログ

« この日は陸から色々と(9月10日) | トップページ | 海上保安庁への緊急抗議をお願いします(転載) »

2014年9月11日 (木)

映画「はての島のまつりごと」を見た

◎大変遅くなりました。やっと記憶を辿りながら紹介文を書きました。   

 

 去る8月31日、那覇のてんぷすホールまで出かけて、上記の映画を見た。席が満席だったのには驚かされた。「はての島」とは与那国島のことだ。地味な島の動向をドキュメンタリー映画にまとめるのは、さぞ難しかったであろうと想像する。よほどの思い入れがなければ、不可能な事業であろう。

 監督の土井鮎太さんは2011年から撮影を始め、極最近までをフォローしている。だが、この映画のモチーフである与那国島への陸上自衛隊配備の進捗は間断的であり、これを通して撮り、分かりやすく描くことは、容易ではない。11年の住民説明会や、住民側からの住民投票運動、13年8月の町長選挙、今年4月19日の防衛大臣出席の起工式への抗議行動などが描かれている。ラストに、5月から始まった建設工事の様子が少し挿入されてもいる。これらの場面のなかでは、「8月町長選の開票場面」を外から見つめる住民たちの真剣な眼差しが特に印象的だった。

 他方で、この映画は島に根付いている文化活動を追っている。エイサーや豊年祭。若者たちがエイサーに取り組む姿が活写されている。その過程が仲間たちの懇談の場を捕らえることで、参加している人たちの思いが表現されている。また、年末年始にかけて行われる神人が執り行うマチリの儀式など、神と人、島との関係が私も全く知らなかっただけに、興味深かった。こうした悠久の、人々の繋がりあいが、この島らしさを体現しているのだろう。ゆっくりと流れる時間の中に、レーダーや軍隊などというものが現出しようとする現実のおぞましさに気づかされるのだ。

 一方で、島も暮らしを支えている農業、漁業、観光業の様子もでてくるのだが、どうしても断片的で、現地を知らない人には伝わりにくい。しかしこうした経済基盤が基地誘致派と反対派に分かれる下部構造でもあるので、もう少し丁寧に追いかけることが必要だろう。特に前述の文化は多分に地縁・血縁関係の中にあり、矛盾・対立を押し隠してしまう面もある。なかなか微妙な問題なのではなかろうか。

 最後にやや技術的な苦言を呈したい。与那国言葉が飛び交う場面など、もう少し丁寧に字幕で補足して欲しかった。これでは大切な論議の場が、雰囲気しか伝わらない。また一番気になったのはカメラワークの問題だ。斜め撮りが多すぎる。もっと正面から迫って欲しかった。ぎらぎらな臨場感は不要だが、前を向く姿勢は重要だ。

 今後も土井監督には、与那国でカメラを回し続けてもらいたい。事態は全く終わっていないのだから。

 最後にひとこと。私も時間を作って与那国島通いを続行しなければならないと考えさせられた1本だった。土井鮎太さんに感謝したい。(14年9月11日記)

○監督・撮影・編集 土井鮎太 ○2014年/140分/HD/日本 ○製作 映画「はての島のまつりごと」製作委員会 ○問い合わせ sweetfishfilm@gmail.com 

« この日は陸から色々と(9月10日) | トップページ | 海上保安庁への緊急抗議をお願いします(転載) »

与那国島」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画「はての島のまつりごと」を見た:

« この日は陸から色々と(9月10日) | トップページ | 海上保安庁への緊急抗議をお願いします(転載) »